社会課題解決に向けて

Contributing toward solving social issues

安心を守る

当社グループが取り扱う産業ガスは高圧ガス保安法により、取り扱いが規制されています。取り扱い方法を万一間違えると、大変な事故を招く恐れがあります。この産業ガスを安全・安心に、ご利用頂けるよう当社は様々な取り組みを推進しています。また、医療分野においても当社は日々の安心した生活が送れるようにご利用者のサポートを行っています。

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産業ガスの安全な利用のためのサービス「みんなガスシル」

お客さまが産業ガスを安全に利用していただくために、当社では高圧ガス保安法に基づいた、産業ガスの取り扱いを学べる“みんなガスシル”の展開を進めています。みんなガスシルは高圧ガス保安法を動画で学べるガスシルラーニングのほか、危険体感講習を行うガスシルアカデミーなどで構成されたパッケージサービスです。ご利用者の安全を守るための活動を推進します。
※「みんなガスシル」の詳細につきましてはこちらからご確認ください

高圧ガス関連事故を独自分析

大陽日酸では、独自の事故強度基準(CCPS評価法)をベースに、高圧ガスの潜在的影響を考慮したもの)を作成し、国内で発生した設備事故について、その事故ごとに「人的被害」「物的被害」「高圧ガスの潜在的影響」「環境影響」「社会影響及び報道」の特性5項目ついて、5段階の強度レベルでポイント化し、その総合ポイント数により、事故強度を考慮した定量評価を実施しています。
※米国化学プロセス安全センター(CCPS)が、「プロセス事故・災害の防止」を目的に提案している手法強度

表1 『CCPS評価(高圧ガス版)の特性と強度レベル』

強度 特性
レベル ポイント 人的被害 物的被害 高圧ガスの潜在的影響 環境影響 社会影響
および
報道
噴出・漏洩
不活性ガス
支燃性ガス
噴出・漏洩
可燃性ガス
毒性ガス
噴出・漏洩
特殊高圧ガス
爆発・火災/破裂・破壊/その他
1 27 事業所内で複数の死亡
事業所外で1名以上の死亡
自社被害額
10億以上
死亡の可能性がある漏洩
事業所外の広域に影響
死亡の可能性がある漏洩
事業所外の広域に影響
死亡の可能性がある漏洩
事業所外の広域に影響
死亡の可能性あり
事業所外の広域に影響
環境対応費用
2.5億以上
地域への重大な影響あり
政府等による大規模な調査や監視あり
数日間の全国メディアの報道
2 9 事業所内で1名の死亡
事業所内で複数が休業災害
事業所外で1名以上が休業災害
自社被害額
1億以上
10億未満
重篤な人的被害の可能性がある漏洩
事業所外に影響
重篤な人的被害の可能性がある漏洩
事業所外に影響
人的被害の可能性がある漏洩
事業所外に影響
重篤な人的被害の可能性あり
事業所外に影響
環境対応費用
1~2.5億
地域での避難が必要
都道府県、警察による調査や監視あり
全国メディアの簡単な報道
3 3 事業所内で1名が休業災害
事業所外で1名以上が不休災害
自社被害額
1000万以上
1億未満
軽度の人的被害の可能性がある漏洩
事業所内全体で物的被害などの影響の可能性がある漏洩
軽度の人的被害の可能性がある漏洩
施設内で物的被害などの影響の可能性がある漏洩
人的被害、物的被害のない漏洩(含、微小漏洩) 軽度の人的被害の可能性あり
事業所内全体に影響
環境対応費用
1億未満
予防措置として工場周辺住民への避難要請あり
会社による調査や監視あり
地方メディアの報道
4 1 事業所内で1名以上が不休災害 自社被害額
250万以上
1000万未満
人的被害はないが、施設内で物的被害などの影響の可能性がある漏洩 人的被害、物的被害のない微小漏洩 人的被害はないが、施設内に影響 短期的な改善対応が必要 長期的な会社による監視や
調査は不要
地方メディアの簡単な報道
5 0.3 事業所内で1名以上が応急処置 自社被害額
25万以上
250万未満
人的被害、物的被害のない微小漏洩 人的被害、物的被害のない事象
爆発・火災:爆発音・小火程度
破裂・破壊:破裂音・変形程度

安定供給を守るための取り組み

大陽日酸グループが生産する産業ガスは幅広い産業分野で使用されています。ガス供給の安全性・安定性を確保するためには、グループ内の生産・供給現場はもちろん、販売パートナーやお客さまの利用現場まで、生産・供給・消費の全工程を通じた安全・安定供給体制の強化が必要です。当社グループでは、「設備・機器を万全に保つ」「安全・安心なオペレーション」「安全に対する意識の啓発」の3つをポイントに、販売パートナーやお客さまとの連携のもと、取り組みを進めています。

生産工程 供給工程 製品利用時
設備・機器を万全に保つ
  • 法定設備点検の実施
  • 定期自主検査の実施
  • 老朽化した設備・機器の更新
  • ガスの物性の調査
  • パイプラインおよびバックアップ設備の定期点検の実施
  • 各種安全機能を装備した「特殊ガス専用輸送車」による輸送
  • 使用されている高圧ガス設備の保安検査、定期自主検査およびメンテナンスの実施
  • お客さまの定期自主検査のサポート、各種保安講習、保安管理上の高度な専門技術の提供
安全・安心なオペレーション
  • 窒素製造装置の総合監視センターによる集中監視システムの採用
  • 特殊ガス工場における自動化操業の推進と遠隔監視、機器制御システムの導入
  • 地震発生時の設備・機器の安全停止と対応マニュアルの制定
  • 空気分離装置(ASP)シミュレーション技術大会の開催
  • 特殊ガス出動要員育成による特殊ガス防災体制の構築
  • 輸送する高圧ガスの“イエローカード”携行の徹底
  • 液化ガス貯槽の遠隔管理システム「スラッシュ」の活用
  • 半導体工場の総合的保安サービスとして、集中監視システム「TELEOS」®の提供
  • 製品安全審査体制の構築
安全に対する意識の啓発
  • 事業所ごとの防災訓練、高圧ガス漏洩処置訓練の実施
  • 自主保安活動の成果を表彰する安全表彰制度
  • データベースによる事故トラブル情報の共有化
  • 当社独自の特殊ガス輸送員対象の定期講習会実施
  • 「移動監視者」の資格取得、高圧ガス保安団体が行う輸送員講習の修了
  • 全国ローリー運輸会社品質・保安推進会議の開催、交通安全研修の開催
  • 高圧ガス保安講習会の実施
  • 安全データシートおよび保安・安全情報の提供

在宅医療のトータルサポート体制

大陽日酸では、在宅医療用の多彩な機器を豊富にラインナップ、全国ネットワークによる充実のサービス体制で、安心・安全・信頼とともに、すべての患者さんのQOL向上を目指し、在宅医療をトータルにサポートしています。我々のネットワークでは、慢性呼吸不全や肺高血圧症・慢性心不全の患者さんが家庭で酸素吸入を行う『在宅酸素療法』をはじめ、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの治療を行う『CPAP療法』・『緩和療法』『在宅輸液療法』における在宅向け輸液ポンプ等の取り扱いの拡充等、在宅医療をトータルにサポートできるラインナップ・体制を構築、いつでも患者さんに寄り添う事を使命に日々対応しています。
※詳細はこちらからご覧ください

未来をつくる

産業ガスメーカーの使命として、ガスに関わる産業技術や可能性を社会に伝えるさまざまな活動のほか、地域との協働による活動にも積極的に参加しています。

セルジオサッカークリニック

大陽日酸では、スポーツ活動を通じて青少年の健全な育成を図るべく、「大陽日酸サッカー教室 セルジオサッカークリニック」を開催しています。1990年に大陽日酸の前身である日本酸素の創業80周年記念イベントとして、千葉市サッカー協会のご協力により開催したのがきっかけでした。2005年からは大阪府サッカー協会との共催で大阪でも開催しています。

セルジオ越後氏をはじめとする元プロサッカー選手である講師陣チームと小学生チームとの交歓試合や、参加チームによるミニサッカー大会、ご家族やコーチも参加できるPK大会などを行っています。これまでに参加した小学生は延べ2万人を超え、クリニック経験者からプロのサッカー選手も輩出しています。

今後も地域の皆さまとの交流を深め、継続して開催していきたいと考えています。


2019年 千葉大会開催30回記念動画

セルジオサッカークリニック つながろう2021

2020年と2021年は新型コロナウイルス感染拡大に伴いオンラインでの開催となり、子供たちと再び会える日までつながっていようという思いを込め、「つながろう」を合言葉に、セルジオ越後氏をはじめとする講師陣と子供たちの交流を図るべく、オンライン特別番組を製作しました。

液体窒素の実験教室

当社では、液体窒素を利用した実験を通じて、子どもたちに「科学を身近に感じてもらうこと」を目的に「大陽日酸キッズ理科教室」を開催しています。この教室は、子どもたち一人ひとりが液体窒素でバラの花を凍らせるなど、実際に体験してもらうのが特徴です。
本社近隣の東京都品川区立後地小学校で毎年開催しており、2024年度は5年生68名に参加いただきました。子どもたちはもちろん、先生方にも大変好評です。今後も開催場所を増やし、ステークホルダーの皆さまに当社に対する理解を深めてもらえるように努めていきます。


空の雲ができるのと同様の白煙を発生させる実験


液体窒素の極低温を利用した超電導磁気浮上コースター実験

子ども食堂への寄付

当社は2022年と2024年に、品川区の子ども食堂へ寄付を行いました。この貢献が評価され、2024年には、社会福祉法人品川区社会福祉協議会から“地域福祉功労者表彰” を授与されました。今後もこのような取り組みを継続して行っていきたいと考えています。


品川区役所での表彰式